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この記事は下書き状態です
モロハの内省的で努力しても変わらない現状を嘆きつつ未来に希望を託すリリックは新宿だろーーーーーー!!!とずっと思っていたのだけどもうこういう方向性で来られるとなんも言えんわ完璧と思う#RAP #ヒプマイ

ヒップホップ、大きく分けて「俺はすごい!すげーすごい!」「多分すごい…未来はきっともっとすごい……(震え声)」「今めっちゃ楽しい、マジやべー」の3種類くらいに分けられると思うのですがモロハはポエトリーだし内向きな曲が多い
未来に希望を託しつつ、今の自分はすげー頑張ってるのになんで評価されない?上がらない?もしかして俺って何にもないのか?ということに気づきつつ、それに目を背けていても変わらない、だから自分に向き合う……みたいなタイプだと思うんですよ ええ迷宮壁への解釈もこのあたり(先生は社会的な成功を掴んではいるものの自らが望む「希望」は得ていないので)なのですごい新宿に来て欲しかったのに……と発表時は思ってました っていうか来るのかよモロハ……まじか……
モロハはどっちかっていうと社会派寄りのポエトリーだと思ってたの、社会派ポエトリーは狐火とか「相対的に評価される自分」を歌うラッパーだと思ってます

名古屋の話、トレーラーの限りではずっと「俺」の話をしていて
こんなに「俺」の話するDivだったんだ?!とまずびっくり
モロハ、こんな…こんなラップできたんだ!?(お前……)
ずっと自分の話をしている……お前のもんじゃねえと言っている……いやそれはそうなんだけど……

モロハ自体そんな得意ではなくて(うるせー!と思う時、大抵見て見ないふりしているやましさがあるもの)(そういう感じの得意ではなさ)(刺さってはいる)あんまり聞いたことないんだけど、こんなラップの構成うまかったんだ……文学じゃん……と思ってしまった

「世界は辛い、こんな辛い世界を見る必要あるのか?」という問いかけから曲に入り、「じゃあ、俺も一緒に見よう、3人で、6つの目で見よう、苦しみを一緒に抱えよう」とHOOKに入るのマジでプロなんだよな 本当にすごい

ルーツと傷を語るラッパーが好きだから一瞬で好きになってしまった

マジの哲学者、社会学者でもない限り、思想や価値観なんてもの、目新しいものは基本的に語られることはない
なのでこれは簡単に言えば「上から同情すんな、うっせえわ、でも仲間がいるとハッピーだよね」って曲だと思うんだけど、だからこそラッパーは「俺はこういうふうに生きてきて、こういうことがあったから、こういう覚悟を背負ってんだぜ、こういうふうに生きていくんだぜ」っていう話をする
ラッパーは同じテーマで延々に曲を書いている
でも「こういう風に生きてきた」からその人にしか言えない言葉がある
その人がいうからこそ説得力を持つ、心に響く、価値を持つ、そういう言葉は何にも代えがたい 「俺の話をする」とはそういうこと

B.A.T くそ 舐めてた……そう 正直いうと 曲でこういうのやってこないだろうと思ってたから 舐めてた 言うんだ……自分のルーツを……傷を……そういう覚悟を決めるチームではないと思ってた

傷を語る時、文字に起こすたび、言葉にするたび、カサブタを剥がしてまた傷にして世界に証明するようなものだと思っている
なので傷を語ってくれるラッパー、曲が好きなんだよな その痛みの証明のおかげで「私」の痛みが共有されている気持ちになるから
「その痛みは私のものだ、これは私の物語だ」って思うことを、作り手側に信じてもらえると思っている
「人間失格の主人公に傾倒するのは厨二病w」みたいな風潮一瞬あったけど それは人間失格が優れた文学だからなんだよね 人の心を動かす力が強いって話
「これは私の物語」「これは私の曲」みたいな思い入れの作品、何かしらあると思う

「俺の痛み 代わりにラップしてくれた」なんだよ

そしてこの痛みはまた同じように誰かを救う曲になるんだ
ジブラでもないし般若 でもAKでもないけど、「これは俺の痛みの作文 」「これが俺なりの俺の歴史 」と世界に流した曲がどこかの誰かに響くんだよ
ちょうどそういう話をしたばっかなんだけど

これは文学芸術の系譜 どんなロングインタビューより1行のバースが誰かの夢になる 誰かの夢を見つけるんだよ本当にすごい
そしてそれは「私」を救わなくても、「私」が共感できなくても、世界の誰かは救っていて、世界の誰かに響いている
人間の未来を信じる話 めちゃくちゃ大好き 一人だと思っていた世界で仲間を見つけて居場所ができる話 めちゃくちゃ大好き……これは私の希望の話
なんだよアフロこういう話もできるんじゃんかよー……自分に向き合えるようになったらちゃんと聞こう……

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Category:感想文
Tag:#RAP #ヒプマイ