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この記事は下書き状態です
とある幸せな家族の話
前編

後編


前編4時間45分、後編7時間45分、それはもう“1日”なんだわ……!!!(半日です)

CoCどころかTRPG卓を通しで見るのが初めてで「でびパパ黛ママ? わけわからん、見〜〜〜〜よっ♪」くらいの気持ちで見始めた
いい話だった、いろんな地獄見たわ〜(でび)

まずでび様のRPがメッッチャいいんだけど、
多分頭いい優しめのキャラだと思うんだけど、(立ち絵がそう見えるので)
でび様のRPはなんだろう…頑固親父っぽい感じなんだろうか、
ちょっと頭が固くて気が強くて空気読めなくて全然こっちに寄り添ってくれなくて「オレの思い描いた家族が一番幸せ!!」みたいな…なんか昭和の優しいお父さんなんだよ、ほっといてくれないのも含めて「昭和なら優しいお父さん、でも個人主義の進んだ平成なら娘を心配しまくってウザがられるめっちゃムカつくオヤジ」みたいな ギャルこういう父親に反抗して家出しそうじゃない? たかしさん、絶対門限厳しいんだよな そういうタイプ
口では「娘が心配だから……」って言うんだけど、娘がやりたいこととか、本当に叶えたい夢は絶対わかってくれないの
李に対して甘えなさいと言うのも、柚に対して「柚はお姉ちゃんだから●●しなさい」って言うのも、実際隆さんがそれらの行動を「これは是、これは幸せ」と思っているから言っているのであって、そこに柚や李の希望はないんだよね 李は甘えなくて一人でやってみたいことや頼って欲しいこといっぱいあるのに、柚は授業参観言えないくらい抱えてるのに、そういうのをみてくれない

でも本気で!!本当に!!家族に幸せになって欲しいんだよ
単純に「柚や李の幸せは父親である自分に責任がある」と本気で思ってる価値観なだけで、多分理詰めで根拠を提示すれば、そこに情熱が乗っていれば絶対に強い味方になってくれる
ただ、このタイプの父親の元で育つ子供に、理詰めできる実績はない(やろうとすれば潰されるので)、情熱だけでは動いてくれない(子供の駄々で終了、李のわがままみたいに)
子供もいい子であればあるほど、「本気で自分たちの幸せを願って動いてくれる父親に対して、その期待や願いを裏切りたくない」と思ってしまい、抑圧してしまうので、、、
あの父親の元で育つ子供として柚と李は最適解レベルだった

隆さん、本当に愛情たっぷりだった、父親としても旦那としても
単純にでび様の趣味…というか……素なのかもしれないけど、
隆さんが響子さんを抱きしめるのがすごく好きだった
子供たちを抱きしめるのもすごく好きだった
最後の最後で、「抱きしめたかった」っていうのが……好きだった

多分、物語終盤、あらかた情報共有が終わった時点、でび様の中でプレイヤーとして
「自分が死ねば家族は助かる」=「火事で死ぬのは自分」ってわかってたんだと思う
でも、家族は自分を絶対に助けようとして、ちゃんと死ねないこともわかってた(というか私に分かったので多分…後編のオープニングでも大体わかったみたいなこと言ってたし)

忘却の呪文(でいいのかな)を何度も覚えようとしたり、箱庭を出ようという姉妹に反対したりする。隆、お前そんな怪しげな呪文を…隆…!
これまでの隆の人格からすれば、「偽物の世界で生きるより、本物の二人の成長を見守りたい」って思うと思うんだよね。
でもそれよりも、「家族は自分を見捨ててくれない」を信じたんだろうな、と思う。
「自分が」死にたくないからではなく、「家族が」死んでほしくないから。家族の幸せのために。

隆は隆であろうとした。
「柚や李(そして妻の響子さん)の幸せを、(歪んでいても)父親である自分の責任で存続させようとした」
でも、最後で柚と李の本物の未来を、希望を、夢を信じた。
父親としても変わったんだよな、隆。柚と李が変わったように。響子さんが変わったように。

あんなさあ…でび様まんまの声なのにさあ……
李の日記シーンとか怖くなったり、響子さんの前だと優しくなったり、声色が変わるじゃん、本当に好きだった……
隆さんだった。本当にすごいな……。


響子さんはなんか…黛がすごくてさあ
黛が「黛灰」のロールプレイをいつもやっていると思ってみてるので、ロリになろうが未亡人になろうがオカマになろうが「さすまゆ…」と思ってる リリさんと喧嘩してるトムとジェリー状態が一番好き

黛自身のツイートでもみたけど「サブKP」というか、とりなしがうまいんだよね
ママに関しては結構黛前提で見てしまうので申し訳ないんだけど、「家族禁止」のやつ、あれは本当に場面全部見えてんなと思ってしまった
李が「貧弱で可哀想で何もできない妹」という役に不満があること、
柚が「いいお姉ちゃん、ちゃんとできなきゃ私の存在に意味がない」と追い込まれていること、
隆が「お父さんの言うことを聞きなさい! 言いたいことがあったら言いなさい」(言えるわけない)状況を作っていることも、
何より響子さん自身が、それらに対してなにも口を挟めず、お飾りママですらないことも

「家族の幸せのために動けているか」と考えた時、響子さんはパパみたいに子供たちを制御することもなく、柚みたいに「なにかあったら手伝うよ!」とお手伝いすることもなく(家事下手なので)、李みたいに「愛されることが役目」ということもなく
だからこそ彼女が「支配」の呪文を持つのがエモいんですが……中ボスやし
ふんわりした癒し系お母さん……でもそれって決定権とかないんですよね。あとそれ別にとろろおにぎりでもいい
誰でもいいポジションにニコニコ座ってて、「この人じゃないとダメ!」みたいな場面になると透明になる
「お母さんは李の日記を見ようとした柚を止めなかった」のシーン、すげえよかった。
「李のちゃんとしたお姉ちゃんとして、ちゃんとした悪役になりたい柚」vs「お母さんが空気なのは知ってるから黙ってて李」なので口を挟める場所ではないし、口を挟むなら全責任持ってかないとダメなだよね。隆なら無理くり言って「お父さんが悪い、だから姉妹で喧嘩すんな、はい握手」くらいまで持ってったと思う。
でも負ける。響子さんは空気だから。

まゆが「まだ喋っていいならRPしたい」って言った時になにするんだと思ったし、「家族禁止」なんて言い出すとは思ってなかった。
「家族が幸せになるために家族禁止」なんだよな。
でもその前のターンで大分こじれにこじれてた家族にそれ言うのかあ。
それが言えるのは家族を信じてるからだなあと思った。肝が据わってんだ。据わったのかな。
家族のために、めちゃくちゃ悪役になるかもしれないのに、かなり場を引っ掻きまわす提案なのに、やるのか。禁止したあと元に戻れるかも分からないのに。
家族を信じてるから。家族が愛し合っていると信じているから。
なげやりでもなく、諦めでもなく、明日に、未来に向かうために。
それが仮初の明日でも。

響子さんが隆さんにネックレスのこと聞かれて、呪文使うのわかんなかったけど、動転してたのか……
何もかもうまくいって、仮初の本当の幸福がこれからも続く予定だったのに、箱庭が終わってしまうもんな………。
今が一番幸せなんだもんな。そりゃ絶対聴かれたくないな。

おれは黛のリスナーなので…自分に嘘つけないので言わせてもらうけどよお…。
「さすがに喋っていいかあ〜〜??」って出てきた黛めちゃめちゃすき
あそこで「さすがに喋っていいか?」って出てくる黛だから響子さんのああいうキャラロールになったんだろうなと思うんだよ
多分、響子さんの今回選んだ道が一番正しい。何もかもが。響子さんにできる最善は尽くされたと思う。おれはプレイヤーを信じているのでそう思うのかもしれない。もう分からん。おれは黛リスナーなので…。おれ黛リスナーでよかったな……と改めて思った。


柚は出てきた時にすこやウッキウキwwって感じだったね 開示される地獄&地獄
「幸せ家族? ウッソつけお前!!!!!」と思いました
型としては「お姉ちゃんしなきゃダメな長女」な上に母親があんなんだから「母親もしなきゃ」も合わさって健やかな地獄だった おれはああいうの家庭崩壊って呼んでるんだけど
あれで家族のことが嫌いだったら「家庭崩壊!家庭崩壊!」って指差してキャッキャしてたんだけど(家庭崩壊大好き!!!)
柚は家族が大好きだったね これは家庭は崩壊していないです

子供が子供として保護されないこと、これは「家庭内でロールを与えられること」も含むと思うんだよね
「ちゃんとしたお兄ちゃん・お姉ちゃん」「親代わりの長子」「不和家庭のピエロ役」など。当然李ちゃんの「弱くて可哀想でなにもできない妹」もそう。
アイデンティティは自らの人生の上に確立するものであって、「他人から求められて獲得するもの」ではないんだよね
「男らしく・女らしく」「お兄ちゃん・お姉ちゃんらしく」とかこれらは「自己肯定するための一材料」とかそういう要素であって、「ちゃんとお姉ちゃんできてるか不安になる」とか、「お姉ちゃんじゃない私に意味はない」とか、そういうレベルで追い詰められるくらいなら逃げていいのよ 日本人は割とこの判定が甘いですが(日本家庭の七割は家庭崩壊だと思ってるオタク)

私がキャラ設定聞いた時に思ったこと、全部全部「これは柚の悩みで、これは解決すべきこと」として描かれていて最高だった。
最後の言葉、なんかもう大体黛が言ってるし、別に私が言わなくてもいいかと思うけど、私はまだ言ってないので言う。
最高だった。
「(天国に)李は遅くきて欲しい」とか柚がお姉ちゃんだったから言える言葉だし、
「私が甘えたいから」とか柚が隆と響子の子供だったから言える言葉だったし、
柚が鈴鳴柚だったから言える言葉だった。
全部繋がってた。
こんな……半日あったんだがこの卓…………。よく覚えてるな、アルバムの設定とか伏線とか…………。
いや覚えるとかじゃないか。生きてたんだもんな。
箱庭の中で、仮初の平和で、すこやのロールプレイしたキャラだけど、柚さんはそこに生きてたんだもんな。


これはとある幸せな家族の話で、少年ジャンプで連載してないし、都合よく時は流れて10年後とかにならない。
なにも言えなかったサンゴちゃん。
私は、都合よく立ち直って欲しかった。都合よく、李はこの経験を生かして未来ではすごい研究者になったよ、とか、結婚してお母さんになったよ、とか、体も丈夫なったよ、とか……そういう報告して欲しかった。
でも無理だね。だって今だもん。今終わったんだもん。
そんなに都合よく時は流れないし、都合よく立ち直れないし、都合よく生きていけない。
どうしていいのかわかんないね。
この鈴鳴家自体が、「ここで終わりになりたくない」という願いで生まれたもので、
最初から都合が良くて……

鈴鳴李が最後に選んだ道は、「鈴鳴李」にしか選べなかった。柚が最後に言った言葉が「鈴鳴柚」にしか言えなかったみたいに。
「鈴鳴さんちの弱くて可哀想でなにもできない妹」なら、きっと選べなかった道で、
だから無駄になったなにかなんてなに一つないのだと思う。
都合がよかったものもなく。ダイスも含め。家事はしっかり失敗して、こういう時にスペシャル出すお母さん……。

外へと道がつながったのは、家族全員が家族のために、本当に最善を尽くしたからなのだと思う。


私は、あなたが生きていて嬉しい。畳む

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